ご挨拶

大会長


木村 剛(新札幌駅前内科循環器)
ご挨拶。写真

 謹啓 時下、皆さまにおかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 第29回日本透日本腎不全看護学会 学術集会・総会を2026年11月21日(土)22日(日)にてグランドメルキュール札幌大通公園で開催させていただくことになりました。
 本学術集会では、毎年多くの腎不全看護に関わる看護師、研究者、企業の方々が一堂に集まっていただき、熱意のこもった議論・意見の交換がなされます。また、腎不全看護をはじめ透析医療について包括的に最新の情報・知識を収集する場でもあります。腎不全看護学会の会員の皆様に広くアンケート調査をさせていただき、会員の皆様のニーズにあった学術集会にしたいと考えております。このような重要な学術集会の大会長の任を拝命することは、大変光栄であり、その責任の重さを実感するところであります。
 2023 年末における「わが国の慢性透析療法の現況」によりますと、透析患者全体の平均年齢は 70.09 歳(前年比 0.22 歳増)と高齢化が続いています。また、糖尿病性腎症に次いで腎硬化症が増加している状況はまさに、全身の血管病変の末に併発した腎症を合併症した方々であり、「腎臓(血管)も悪くなった高齢者」が、我々の看護の対象であります。このような状況において我々の看護実践が、患者にどのような影響を与えているのかを言語化し、可視化し、評価していかなければなりません。保存期からの生活目標を踏まえた関わりや先行的な視点でのVA看護の介入、ACPやビリーブメントカンファレンスなどの取り組みの他に、これまで実践されながらも明文化されてこなかった看護の価値を改めて見つめ直す機会としたいと考えています。
 2026年の本大会では、普段実践されているにもかかわらず、未だな言語化されていない看護に気づきたいという意味を込めまして「可視化」というテーマにいたしました。患者一人ひとりの人生目標の実現に向け、私たちは何をすべきか、さらなる努力が必要なことは何か、すでに高い水準で実践できていることは何か――こうした問いを深く掘り下げ、オーダーメイドな看護の在り方を探究する学術集会を目指します。
 また、今回は看護師だけではなく、様々な職種の方にも参加していただきと考えており、プログラムには、特別講演や教育講演、ハンズオン企画、市民公開講座なども検討しているところで、ぜひ、たくさんの方にご参加いただけるよう鋭意準備中でございます。
 札幌での腎不全看護学会の開催は久しぶりでございます。ぜひ、札幌にお越しいただき、第29回日本腎不全看護学会 学術集会・総会にご参加いただくとともに、秋の札幌を楽しんでいただければと思います。是非、2026年には札幌で熱い意見交換を行いたいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。